146. 本格派・気仙沼弁---33 (1999.10.17)

私には、弟が2人いる。
家族5人で、車で出かける時は、父が運転席、助手席には、すぐ下の弟。
後部座席には、母と私、そして、真ん中に末の弟が座る。
これがオヤマ家の定番だった。

そんな時から、20年が経ち、末の弟も30歳を越えた。子供もいる。
ああ、それなのに、車に乗ると
「てっちゃん(末の弟)は、小さいから、真ん中ね」と母が言う。
「え?」と、私達は顔を見合わせて、ボケたかと母を見る。
母は、おもわず笑って、「もう、てっちゃんは小さくないね」って。

何十年経っても、末っこは、一番小さくて、そして、一番、いとおしいのかもしれない。
前回の宿題の「ばっつ(もしくは、ばっつこ)」は、末っ子という意味だ。

「ばっつだがらっさ」というと、末っ子だから、大目に見てやってほしい、という気持ちがこめられる。
皆の愛情を一身にあびて育つかわりに、甘えん坊が多いということだと思うが、うちの「ばっつ」こと、てっちゃんは、「それは偏見だ」と反論する。

私は血液型による性格判断は全然、信じていないけれど、兄弟構成による性格判断なるものがあるとすれば、それは信じる。
やはり、最初の子か、次の子か、末の子かでは、親の接し方が異なり、おもちゃなどの環境も異なり、性格も左右されると思っている。ただ、「ばっつ=甘えん坊」は、たしかに偏見かもしれない。

「ばっつ」に対して、長男は、「かどぐ(家督)息子」などと言われ、ガキの頃から、家の重圧をかけられる。
今どき、家督制度は流行らないと思うけどね。
ちなみに父は、いわゆる「かどぐ」で、ぼっちゃんに育ってしまった。いかん。
父をぼっちゃんから、普通の人に改造しようとしているが、うまくいっていない。

家に息子がいない場合は、婿をとる。
婿をとった娘のことは「家娘(いえむすめ)」といい、わがまま娘の代名詞のように言われる。
逆に「家娘だけど、性格がいいよ」なんてこともあり、普通にしていても評判は上がる。

では、宿題をひとつ。
「らっつぁね〜」の意味は何でしょうか?
だんだん、難しくなってきたすぺ?

ほんで、まだね〜。

つづく...