「ずんだ餅」の知名度が上がり、ずんだの本場出身としては鼻が高い。
20年前、東京で「ずんだ餅」を知らない若者が多いのにがっかりした。
私は調理実習の自由テーマの時、「ずんだ」を提案したが、グループメンバーから却下された。
「ずんだ」の意味が通じなかったらしい。
「味噌みたいなもの?」なんて聞かれて、参った。
私の方は、「ずんだを知らない人が、この世に存在する」ことに驚きを隠せなかった。
説明のため、図書館で「ずんだ」の文献を探すが、当時は「じんだあえ」と出ているのを見つけたにすぎず、「ずんだ」の文字を見つけることが出来なかった。
「じんだ」だぁ〜〜? ちがわい「ずんだ」だっちゃねぇ〜、と思ったが、それ以上の説明はよした。
近頃は、テレビで「本場のずんだ餅」を放送するから、「色が美しいずんだ」の印象はかなり良いにちがいない。
ずんだ餅(ずんだもぢ)は、枝豆をすって、砂糖を加えて、ほどよい甘さのきれいな、きみどり色状のたれ(ずんだ)を、やわらかい餅につけて食べる。
枝豆をたくさんもらうと、まずは、父はビールのおすばでに、母はお茶うけに、子供はおやつに、そして、残った豆をすって、ずんだ餅にし、昼食に出る。
ちなみに祖母は、これを略して「ずだ」と呼んだので、我が家は、「ずだ」が一般的だ。
「これっさ、ずだ、食べらい(ん)」(さぁさぁ、ずんだ餅を召し上がれ)
づんだ餅と「づ」で表記する人もいる。この方が感じは出る。
さて、ずんだ餅とは全く関係ないが、「ずんね〜」という言葉がある。
子供に対して使う言葉で、ほめ言葉のひとつ。
親の手伝いなんかしていると、大人が「なんと、このわらす、ずんね〜ごど」と言ってくれる。
「お利口ね」とか「えらい・えらい」とか「けなげだ」とか、そういう意味。
こっちは、嬉しくなり、もっと手伝おうとがんばっちゃう。「豚もおだてりゃ木に登る」状態だ。
気仙沼弁には、「ずんだ」に「ずんね〜」にと、「ズン〜」で始まる言葉があっておもしろい。
「ズン」の独特の響きは楽しさも増す。
この楽しさが、あの「ズンズンズンズン・ズンズンドッコ♪」という名曲を生み出したのかもしれない(根拠なし)。
ほんでねぇ。