112. 本格派・気仙沼弁---26 (1999.7.7)

本日・東京は暑い!
こんな日は、仕事をやめて海にでも行きたいものだ。
ビーチで飲むビールはうまいだろうなぁ。

「なにが、おすばで・ねぇのすか?」ってな会話を繰り広げられる。
「おすばで」は、大事な用語である。
なぜならば、酒の肴(さかな)という意味だから。
普段、おとなしい人も、酒を飲むと変化するから、重要用語として覚えておくとよい。

父は、酒が好きで、毎晩かかさず飲んだが、昨年、病気をしてから禁酒状態で、ビールの宣伝をうらめしそうに見ている。

母は、まったく飲めないので、酒飲みの味の好みがわからない。
ビールにあう「おすばで」、日本酒にあう「おすばで」といろいろある。

「とりあえず・ビール!」で始まる父は、何はなくても、板つきのかまぼこを切って、わさび醤油で出せば、おとなしく飲んでいる。
気仙沼の「かまぼこ」は、新鮮でおいしい。原料もいいのを使っていると、一目でわかる。
「かまぼこ」をきらしたら、大変だ。
あくたれるわ・ごんぼほるわ(怒っているぞ〜という意味)。

「かまぼこ」だけで一晩もつわけもなく、酒がまわってくると、あれこれと「おすばで」の要求も面倒になってゆく。
やっぱり、「活きのいい刺身」なんかが出ると、黙って飲んでいる。

しかし、家族がカレーライスを食べているのに、父のための「おすばで」作りは大変だ。
飲めない母は、「カレーで、ビールを飲めば?」と言っては、父から「おすばでとは、どうあるべきか」の講義(抗議!)を受けるはめになる。

「おすばで」は、酒飲みが好みそうなものを指す。
気仙沼の「ホヤ」「ウニ」などは、「優良おすばで」だな。
そんないいのが出るはずもないから、父の「おすべでのうんちく」は絶えることはない。
ふ〜、今年の夏は、ビールなしで乗りきらなきゃね。おとっつぁん!

ほんでねぇ〜〜。

つづく...