98. 本格派・気仙沼弁---18 (1999.5.28)

さて、前回、母親のことを「がっか」と呼ぶ、と書いたらメールをいただいた。
「がが」ではないのか?
「がが」は、自分の奥さんのこと。
「おらいのがが、めんこいぞ」(うちの女房は、器量よし)と言ってあげよう!

気仙沼では、「あんつぁん(兄さん)」のように「つぁん」を用いる場合がある。
歌舞伎でも「おとっつぁん」という台詞あるから、江戸においても「つぁん」は使われたのだろう。
「ちゃん」よりも「つぁん」の方が、古いいい方かもしれない。
このあたりの詳しいことはわからないので、ご存じの方、教えてください。

さて、前回の宿題は「いがす」
スタッフ君の答えは、「オナラ」だって。
「え? なんで?」私・目テン
「違うなぁ、ゲップだな」とスタッフ君。
「なんで〜?」私・わからない。
「胃ガスは、ゲップのことでしょ?」すごいイマジネーションだ。
しかしながら、ブー・はずれ。

「いがす」は、「いいです」という意味。
「ほんでがす」は、「そうです」
「そうでがす」も、「そうです」
「まだでがす」は、「まだです」

声を出して読んでみて下さい。
「が」が入ることで、より強調されることがわかる。
強い肯定文になる。

「いいのすか? ホントにいいのすか?」(何度も念を押している)
「いがす」(もう、つべこべ言うな、それでいいのだ)

飲み会で夜もふけてきた時に、
「おら、もう帰んなくて」(私は、もうそろそろ帰ります)
「まだ、いがすと」(もう少し、いいでしょ)と言われると、ついつい、
「そすか」(そうですか)と言って座り直す。
酔って、いい気分で帰ると、家では「がが」が、
「あんだだら、何時だど思ってんの〜! 毎晩・毎晩!」とツノを出す。
(訳をつけずとも、わがるすぺ?)
この辺の会話は、東京も気仙沼もかわらない。

ほんでまだねぇ〜。

つづく...