75. 血統 (1999.4.29)

昭和天皇の誕生日だ。
というわけでもないが、血統について考えた。
というのは、競争馬が出産したというので、スタッフ君がスポーツ新聞を見せてくれる。
妊娠していることに気づかずにレースに出ていたそうな。
「もう少ししぼればいける」とコメントがあるし、騎手は、腹を蹴ってしまったと申し訳ない気持ちでいるから、本当に妊娠していることに気づかなかったようだ。そんなこともあるもんだ。

父親はわからない。
といっても、放牧中の妊娠だから、父親もサラブレッドには違いない。
口がきけたら「あの人(じゃないや馬)が父親です」と言えるのに、なんとかならないもんだろうか?
父親がわからないと、サラブレッドにはなれないそうだ。
スタッフ君のうんちくが始まる。
サラブレッドは、もともと3頭の馬から始まった。
だから、どの馬もたどっていけば、その3頭にたどりつくことになっている。

血筋で人生が決まることには、昔っから納得いかない。
「不公平だ!」と、こういう事になると熱くなる。

私は10代の頃、歌舞伎役者か日本舞踊の舞踊家になりたかった。
しかし歌舞伎役者は男でないとダメ。男でも梨園に生まれなければ難しい。
感受性の強い時期にそういう「きまり」が与えるショックは大きく、血統に関係ないところで生きる決意をする。

次に目指したのは、ミュージシャンだ!。これならば血統なんか関係ない。
結局どうなったかというと、一介のパソコンおばちゃんだ。
雑草のごとく生きていることには満足している。

さて、「サラブレッドとして生きられないなんて可哀想〜」と思っているのは、私だけかもしれない。
親は、「サラブレッドにならないなんて、あんた幸せよ」と言ってるかもね。