62. 本格派・気仙沼弁---3 (1999.3.4)

気仙沼弁を紐解いていたら、ある法則に気づいた。
「っ」(小さなつ)が登場する回数が多いことだ。

前回書いたように、語尾には「っさ」を用いるし、人のあだ名(愛称)にも、「っ」がつくこと多し。

うちの弟は、「テッツ」
小学校からの同級生は、「カッツ」
中学のバスケの友は、「イック」と「ヨッチ」
一郎君は、「イッチ」
幸城君は、「ユッキ」
高校の担任は、「サッサ」
テニス部の顧問は、「カッサ」
私は、親から「リッコ」と呼ばれる。
「ゾッパン」は、「こうぞう君」のこと。

声を出して読んでみると、小さな「つ」が入ることで、言葉がリズミカルになり、楽しい調子になることがわかる。
音符でいうなら、八分音符スタッカート。跳ねた感じ。

この法則にのっとると、「木村たくや君」の場合、「タック」だな。
「たくや〜」じゃなくて、「やぁ、タック!」となる。

東北弁には、重いイメージがある。
たしかに濁点が多く、「だぢづでど〜」の音がズシーンとくる。バスドラや、ベースの音がする。
しか〜し、気仙沼弁では、それに八分音符スタッカートがまじって、独自のビード感を出すのだ。

さぁ〜て、前回の復習を含めて、次のフレーズを読んでみよう!
「あのっさ、リッコにマックを買ってけだっけっさ、喜んでだのっさ」
(あのさ〜、リコにマックを買ってあげたら、喜んでたよ)
どうです? 跳ねたビートは、まるでラップミュージックのようじゃありませんか?

さて、前々回の宿題「はだでで、いがなくてもいっちゃ?」の意味は?
は、また次にすっぺ。今日は時間が来たがらっさ。
ほんで、気つけでね〜〜〜(Take care!)

つづく...