今月の歌舞伎座は、贔屓(ひいき)の板東玉三郎が「吉田屋の夕霧」と「先代萩(せんだいはぎ)の政岡(まさおか)」を演ずるから、奮発して高い席にした。どちらも当たり役。これを見逃してはならじと気合いが入ってるわけ。
このところ3階席(4,000円)の常連だったから、いつも通りのTシャツとジーパンという出で立ちで、1階に向かうと、「ヤヤヤヤヤヤ」まわりは、金持ちらしきご婦人ばかりで、さすがに少々気が引けた。
ご婦人方は耳に、首に、指先に、ジュエリーがキラキラと光っている。
金銀パールどころか、ダイヤにサファイヤにエメラルドってな感じだ。
和服姿もかなり見受けられ、社交場の一つになっている。
「歌舞伎座は高い」というイメージそのままがそこにある。
ビビることはない。リーズナブルな楽しみ方をお伝えしたい。
1階席は14,000円(桟敷席は16,000円)もするが、ビギナーならば、とりあえず3階席を体験してみるといい。
3階席は2種類ある。4,000円と2,400円の席だ。
出来るなら4,000円の方にして欲しい。
なぜなら2,400円の席は、あまりにも舞台から遠いので、何をやっているかわかりにくい。チケットは「チケットぴあ」などで入手できる。歌舞伎座のチケット売り場でも購入可能。
歌舞伎座に入ると、まずは「筋書き」売り場に人が押し寄せているのが目に入る。
一部1,200円(歌舞伎会メンバーは1,100円で買える)。
少しでもケチりたい場合は、これはよして、イヤホンガイドだけは借りて欲しい。650円。
ただし、保証金として1,000円余計にとられる。これはイヤホンガイド返却時に戻る。
歌舞伎は、昼の部ならば11時〜4時までと長丁場だ。その間(幕間)に昼食をとる。
歌舞伎座1階で売られる弁当は高い。弁当ごときが1,800円もする。
地下食堂「花道」では「幕之内」が2,000円。
2階「ほうおう」の「芝居寿司」は3,000円。
「吉兆」の「松花堂弁当」は6,300円もするするから、ぶっとぶ。
心配いらない。3階「おでん処やぐら」の「おでん定食」は1,200円。
おなじく3階「カレーコーナー」のカレーライスは700円だ。
もちろん、自分で弁当をこさえて持参すれば安く済む。コンビニで買って入ってもよい。
歌舞伎座の中で一番安い弁当は、2階「芝居茶屋」の「寿司折詰」の900円だと思う。
私は、ここの「幕乃内弁当」1,000円か3階の「おでん定食」1,200円にすることが多い。
もしくは3階「かぶきそば」の「天ざる」が1,200円。
甘いものもいろいろあるので、女性には嬉しい。
1階の「小倉アイス」200円は人気商品。甘さ控えめでなつかしい味がする。
歌舞伎座のトイレは混む。覚悟して欲しい。
圧倒的に女性客が多いにもかかわらず、トイレの数はそれほど多くないし、行く時間は限られているから混むに決まっている。どこのトイレも行列になるが、3階ならば西よりも東側がトイレの数が多い。
私は、とっとと食事を済ませて、トイレも済ませておく。殿方のトイレはいつもすいているので、男性は心配いらない。
中日(なかび)を過ぎると、1階に役者の舞台プロマイドが展示/販売される。1枚500円。
必ず、その月の舞台を撮影して販売するので、初日に出ることはない。
これを狙って中旬過ぎに行くのもよい。
玉三郎のような人気役者になると、ファンがまとめ買いをすることがあり、いいショットのものは楽日(らくび)前に売り切れる場合もある。買わなくても見るだけでも楽しい。
歌舞伎座みやげはいろいろある。
今月は、2002年用カレンダーが販売されていた。
玉三郎カレンダー1,000円。勘九郎が1,200円。
前にボニート事務所に玉三郎カレンダーを貼って驚かれたので、自宅用にしている。
ちなみに現ボニート事務所は、スタッフ君がゲットした「競艇カレンダー」が目立つところに貼ってある。
スタッフ君の自宅は競馬カレンダーにしているらしい。
他に歌舞伎座みやげとしては、隈取りの顔がTシャツにプリントしてある「歌舞伎Tシャツが」がある。
これを買う(着る)勇気はないが、これを着たご婦人をお見かけしたことはある。
さて、肝心の演目の方は・・・(十月大歌舞伎へ)つづく