すぐに日に焼ける。
少し、外歩きが続くと、「あれ、オヤマさん、焼けましたね」とくる。
顔はアウトドアだが、実際には部屋にとじこもった暮らしだ。
最近の若い人達は、日に焼けた顔を「顔グロ(ガングロ)〜」というらしい。
逆に白い人は「顔ジロ(ガンジロ)〜」なんだって。
私は、高校生の時にテニス部にいたから「顔グロ」だった。
たぶん、昨今のコギャルよりも上じゃないかな?
でも、黒くなりたくてなったのではなく、一日中、外にいるから、嫌でも「顔グロ」。
どかた焼けとも言う。
色白でないと嫁にいけない、と信じている祖母は、この事態をなげかわしく思っていた。
「リ〜コちゃん、顔を洗っておいで」と言う。
「へ? もう洗ったよ」
「ダメ。まだ黒い」だって。
高校3年生の高校総体後、部活は引退する。
引退したら、「白くなりたい」と切実に願っていた。
やっぱり、当時は色白の方がかわいいと信じている。
卒業写真の撮影までには、なんとしても白くならなくてはいけない。
ところが、卒業写真の撮影は、春にいきなり始まってしまった(ガーン)。
春は、高校総体に向けて、最も練習に熱が入る時期だ。
「やだぁ〜、間に合わない」
でも、大丈夫。
だって、卒業アルバムは白黒写真だから、黒くたってわかんないよ。
そして、卒業式の当日、渡されたアルバムを見て、愕然とした。
白黒写真なのに、ハッキリ「黒い」とわかる顔。
集合写真の中から、ピカピカに光ったテニス部員の「顔グロ」を探すのは簡単だ。
撮影時は、そうとは知らず、おもいっきり笑った顔に白い歯が「ニ」。
より一層、「顔グロ」を引き立てている。
それは、Photoshopなどの画像処理ソフトを使うとわかるのだが(そんなの使わなくてもわかる? ハイ)、白黒写真はグレースケールなのだ。だから、黒い顔は、グレーの度合いが増すだけで、白くなることはなかった(泣)。
高校生の時、日本舞踊を習っていた。
発表会があると、白く塗られる。顔ジロ〜〜。
しかし、白塗りの部分と地の部分が不気味な「白と黒」のコントラストを形成する。
そのコントラストは恐いほどで、人様にはお見せできない。
色白が「めんこい」と信じてる祖母は、白塗りした私に満足で、
「リ〜コちゃん、いつも白いのを塗ってれば?」だって。
おいおい、学校で化粧を許してないべ。
私の両親、祖父母は、み〜んな色白なのに、私とすぐ下の弟だけが黒い。
どこかに必ず、黒い人がいたに違いないが、それは誰なんだろう。
今だに謎だ。